
古事記を理解して描いている
「古事記」は日本最古の歴史書です。この歴史書に神代(神の時代)の伝承も多く記されていて、神道の重要な要素が詰まっているので、神社にご奉仕されている神主様は「古事記」を学んでおられます。神代の伝承とはいわゆる神話ですが、世界中に神話と呼ばれるものはあります。ただ、我が国日本の神話が他国と違うのは歴史と神話がシームレスに繋がっている点だと言えるでしょう。しかし、この「古事記」には神道以外にも、古来より日本人の大事にしてきた「心」が詰まっていますが、一般的に知名度はあるものの、その内容を学ぶ機会はほとんどありません。理由として『古事記』が非常に難しい点が挙げられます。どれだけ難解かというと712年に編纂されて江戸時代に入り国学が盛んになるまで約900年間に渡り、誰も『古事記』を読むことが出来なかったほど。これを学び、その心を「絵」として表現できる人が、どれだけいるか?技術的には描ける人もいるでしょうが、「古事記」を理解し、その「心」を描くことはまた別です。長年「古事記」を学んだ知識と経験は、日本人の大事な「心」に寄り添う「神仏画」を描き出します。